リフォームは大きな費用が掛かるため相見積もりなどで複数のリフォーム会社から見積もりをもらっている方も多いと思います。
しかし、ただ単に沢山のリフォーム会社から見積もりをもらったからといってリフォームが成功するとは限りません。リフォームを成功させるためには複数社から見積もりをもらうのは当然のこと、もらった見積もりの内容を正しく理解し、本当に自分の求めているリフォームなのかどうか?一番理想とするリフォームがどれなのかどうかを判断する目が必要になります。
このページではリフォーム会社から見積もりをもらったら、まずはじめに確認したい注意点やポイントを7つに分けて紹介しています。
見積もりの見方の例
まずは一般的にリフォーム会社から提出される見積もりの見方を簡単に説明したいと思います。下記に見積もりの例を作ってみました。それぞれの項目を説明していきます。
名称 | 規格 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
壁 | ビニールクロス | 365.5 | ㎥ | 900 | 328,950 | |
床 | オーク無垢フローリング | 14.5 | ㎥ | 3,000 | 43,500 | 〇〇木材会社 |
同上 張り手間 | 14.5 | ㎥ | 2,400 | 34,800 | ||
畳 | 900×900 | 9 | 畳 | 12,000 | 108,000 | |
廃材処分費 | 1 | 式 | 99,000 | 99,000 | ||
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ |
- どこの場所をどのように工事するのかが簡単にわかる。
- 工事に使われる材料の大きさや厚さ、品番などの種類がわかる。
- 使用する量がわかる。数の時もあれば面積の時もある。
- それぞれの材料の計算方法がわかる。
- それぞれの材料の1規格あたりの単価。
- 該当箇所の工事にかかる合計費用。
- メーカーやオプションなど、その材料に関する備考。
工事ごとに設備の商品名や品番、木材の種類に加え、それぞれの量と単価や合計金額が記載されますのでどの場所にどのようなものをどれだけ使っていくら費用が掛かるのかということまで一通りわかります。
失敗する人は決まって総額ばかり見る
見積書を受け取った多くの人が最も重要視して確認するのが支払総額です。もちろん、最終的な出て行くお金の額を示しているわけですから非常に重要ではあるのですが、実はリフォーム失敗の原因は支払総額ばかりに目が取られてしまうことにあるのです。
一番重要なのは、支払総額そのものではなく、その支払総額がどういう内容で構成されてその金額に行き着いたのか?という方がよほど重要です。
そして、内容に目を向けたところで、まず確認して欲しいのが自分が要望したものが本当に入っているかどうか?ということと、その金額はいくらなのか?という2点です。
「そんな当たり前のこと反映されていない訳ないじゃないか」そう思われる方も多いかもしれませんが、実はこれは意外と多いトラブルでネットで型番などを調べてみると想像していたものと違ったということもよくあります。
工事が完成してしまってからでは見積書に印を押している以上、イメージが違ってもリフォーム会社に明らかな過失がない以上、やり直しをしてもらうことはできません。そのようなことになる前に必ず型番を確認し、インターネットなどで自分の求めているものなのかどうか確認しておきましょう。
その際、一緒にスペックや色味なども確認しておくと良いでしょう。例えば、当サイトの「浴室の床シートのリフォーム」で扱った、バスナシリーズには実は3つの種類があります。一般的に床シートのリフォームとなるとリフォーム会社からは一番オーソドックスなバスナフローレしか提案されないことでしょう。
しかし、自分でバスナシリーズについて調べておけばバスナシリーズの種類や違いなどを事前に知ることができ、最も自分にあった製品を選ぶことができます。
〇〇一式など一行見積もりはNG
最近では流石にあまり見なくなりましたが「〇〇工事一式」の一行で終わってしまう見積もりを堂々と提出してくる会社は確かに存在します。訪問販売など悪徳業者は中身を見せるとぼったくりだとバレてしまうため特にこの傾向が強いと言えるでしょう。ぼったくりではないにしろ、難しいことが嫌いな職人気質な工務店などに依頼した場合でもこのような見積もりになるかもしれません。
緩〜い感じのリフォーム会社でもそうなのかもしれませんが、いずれにせよ親切ではないですよね。とてもユーザーのことを考えているとは思えませんし、施主が内容を確認できないのはトラブルの原因です。
例えば、システムキッチンでもサイズもいろいろある上、扉材のグレードもたくさんありますし、天板も人工大理石なのかステンレスなのか、オプションはどの程度にするのかどうかなどで費用は雲泥の差になりますし、トータルで考えると一言にシステムキッチンと言っても50~200万円くらいまで実に大きな価格差があります。全て一色で描かれた見積もりでは細かい内容はまるでわかりません。
設備などはメーカーの希望小売価格がWEBカタログなどで確認できますが、仕入れ価格は各リフォーム会社の取引条件などによって違ってきます。それぞれの設備の価格などが明確に載っていれば、そういった差なども比較することができます。
いずれにせよ、一行で終わる見積もりなんてあってはなりません。リフォーム会社からそのような見積もりが提出された場合には、そのリフォーム会社とお付き合いしないようにするか、詳細のわかる内容のものに変えてもらうかどちらかを選択しましょう。
わからない内容は必ず確認
リフォームの見積書は専門用語も多く、リフォーム業者からの説明なしに理解するのは至難の技です。最近ではインターネットの発達により専門用語の多くも検索すれば、すぐにわかりやすい説明に辿り着けますが、それも1個2個ならまだしも数十個となると「まあいいか」「まあ大丈夫だろ」と調べなくなってしまいます。
しかし、これもまた失敗の元です。わからないのであれば自分で調べるのも良いですがリフォーム業者に担当がいるのであれば打ち合わせの際にまとめて質問してしまいましょう。
人が口頭で説明すれば数秒で終わるものも自分で調べると最低でも数分掛かるものです。分からないことが多い場合は担当営業に説明を求めてしまうのも一つの手です。担当営業の知識や経験など力量を測る良い機会でもあります。この際は「リフォーム会社選びで抑えておきたい7つのポイント」にあるように素人にもわかりやすい説明ができる営業マンかどうかみておきましょう。
説明の内容が理解できたら内容が自分の求める内容なのか確認しましょう。リフォーム会社によっては希望した製品と類似のものをより安く仕入れてくれるような場合がありますが、そういったときは商品説明などを聞き特徴や元々の商品との違いなどを確認しておきましょう。
見積書から多くがわかるが分からないこともある
見積書ではどのような場所にどのようなものをどれだけ使うかがわかりますが間取り変更の内容や範囲などのプランは設計図で確認するものですので見積もりからはわかりません。また、設備に関しても備考に記載のないオプション機能の有無やカラーなどの詳細は見積もりからはわからないこともあるため担当からカタログをもらったりショールームで確認したりする必要があります。
見積もりだけでなく、設計図やカタログを見るとともに担当者からの説明をよく聞いておくことが重要です。
また、外壁や床の張替えなどでよくあるのですが張替えと重ね張りの違いなど施工方法によって費用が大きく変わる工事もあります。このあたりの違いは見積もりの内容はもちろん、担当者の説明内容をしっかり理解していないと違いに気がつきません。
総額ばかりに目が取られることなく、その内容にしっかりと目を向けて確実に自分の理想とするリフォームをものにしましょう。
【まとめ】念のため追加費用が無いことも要確認
リフォームのトラブルの一つに見積もりに載っていない追加費用を請求されてというものがあります。リフォームは新築とは違い、今あるものを修復したりするため、その部分を交換することになれば既存の部分は解体&撤去することになります。そして当然、解体・撤去・処分に掛かる費用はリフォームに必要な費用です。
これらの費用を「見積書に入れていなかったので後からいただきます。」というのは通用しませんが、現にそう言ったリフォーム業者は存在します。
ただ、完全に追加費用の発生自体が無いのかというとそうでもなく、リフォームの性質上、仕方のない追加費用というのも存在します。壁の中や床に下など工事開始前には見えなかった部分も解体してみると劣化が進んでいたり、補修部分が多い時などは当然、追加に費用も発生しますし、工期が延びることもあります。こういった止むを得ない追加費用の発生もあるので一概に追加費用があったから悪い業者だと決めつけることはできません。
ただ、これらも事前に担当者に確認しておけば、どういったケースでどの程度の追加費用の発生があるのか事前にある程度知ることができます。事前に知っているのと知らずに突然告げられるのでは心の持ちようも大きく違いますね。
こういったことも踏まえて、見積もり内容以外に追加で費用が掛かることがあるのかどうか?あるのならどういった場合にどれくらいの費用が掛かるのかの2点は必ず確認しておきましょう。