TOTOの浴室を検討していて、どのグレードにしようか見比べていると、ふと気付くことがあるかと思います。それは浴室のグレードによって床材が「カラリ床」と表記されているものと「ほっカラリ床」と表記されているものの2つあること。
そう。実はTOTOの浴室の床材には「カラリ床」と呼ばれる床材とCMでお馴染みの「ほっカラリ床」の2通りあるのです。名前だけ見ると「ほっ」が無いだけですが具体的にはどのような違いがあるのでしょう?
このページでは「ほっカラリ床」と「カラリ床」の違いと選ぶならどちらが良いのか?それぞれどのような人に向いているのか?を書いています。
TOTOのユニットバスを検討している人はぜひ参考にしてみてください!
「ほっカラリ床」とは?お馴染みのCMでおさらい
まず、ほっカラリ床とはどのような床なのか?下記のテレビCMは特徴がわかりやすくまとめられています。すでにご覧になられた方も多いとは思いますが、おさらいのために改めてご覧ください。
ほっカラリ床は「柔らかい」「ひやっとしない」「乾きやすい」の3つの特徴をもつ浴室用の床材でTOTOの大ヒット商品の一つです。
「ほっカラリ床」は上の画像のような3層構造になっていて、2層目と3層目はクッション性を産み出すための素材が使われています。
簡単にほっカラリ床の紹介をさせていただいたところで、今回のメインテーマである「ほっカラリ床」「カラリ床」の違いについて説明していきたいと思います。
ほっカラリ床とカラリ床の主な違い
ここからはほっカラリ床とカラリ床が具体的にどこが違うのかをまとめていきたいと思います。ショールームの体験レポートと合わせてご覧ください。
カラリとした乾きやすさはどちらも同じ
実はほっカラリ床もカラリ床も表面の見た目は全く一緒です。表面はどちらもカラリパターンと呼ばれる水の表面張力を壊すパターンが施されており、このカラリパターンがカラリ床の乾きやすさに繋がっています。ですので、カラリ床もほっカラリ床は乾きやすさという面ではどちらも同じです。
カラリ床は冷たい
カラリ床とほっカラリ床の一番の違いは浴室に足を付けた時の冷たさにあります。
こちらはショールームに設置されているカラリ床と一般的な浴室の床の違いを体験できるコーナーですが、左側ではほっカラリ床の「ひやりとしない」が体感でき、右側では汚れの付着しにくさが体感できるようになっています。
さっそく、ヒヤリとしにくさの違いを体感したいと思います。
冬の浴室を再現するために冷た〜く冷やした鉄板の上にカラリ床とほっカラリ床を並べた装置です。左にあるのがカラリ床で右にあるのがほっカラリ床、真ん中には温度計が設置されており、現在は10度と表示されていて下に見えている銀色の鉄板はなかなかの冷え具合です。
左のカラリ床に触ってみました。鉄板部分とほぼ同等の冷たさを感じます。確かに我が家の冬の浴室は冬になるとこれくらいの冷たさがあると思います。
続いてほっカラリ床に触れてみます。
あッ…暖かい。カラリ床の冷たさを実感した直後ということもあってか発熱しているわけでもないのに暖かく感じます。すごい…。これは正直いって想像以上。ヒットしていることにも納得がいきます。
この暖かさを表現するのが難しいですが強いていうなら発泡スチロールを触っている温度感に近いと思います。冷凍庫に発泡スチロールがある方は試してみてください。まさしくその暖かさです。
クッション性もなかなか
これは実際に展示されているほっカラリ床の断面を横から撮影したものなのですがご覧の通り3層構造になっていることがわかりますね。一番下の層はどうみても発泡スチロールにしか見えませんが実際発泡スチロールのような素材です。これらの素材は断熱に役立っているだけではなくクッション性においてもその力を大いに発揮しています。
ご覧ください。指で押しただけなのに表面が凹んでいるではありませんか。一方のカラリ床は2層目3層目が無いため一般的な浴室の床と同じようにカチカチです。
両方とも表面はカラリパターンで足を滑らせにくい構造ですが、カラリ床は転べばほっカラリ床より痛いでしょうし怪我のリスクも高まります。カラリ床の浴室で物を落とせば割れる可能性も高いことでしょう。
搭載されている浴室プラン・グレードの違い
ほっカラリ床になるかカラリ床のどちらになるかは選択する浴室のプランによって違ってきます。下記の表に浴室プランごとにほっカラリ床になるのかカラリ床になるのか一目でわかる表を作ってみました。
浴室プラン | ほっカラリ床 | カラリ床 |
---|---|---|
シンラ(戸建て・マンション) |
|
ー |
サザナ(戸建住宅用) |
|
|
マンションリモデルバスルーム |
|
|
戸建て住宅向けの浴室はNタイプを除いた全てのプランがほっカラリ床を標準装備しています。一方、マンション向けではWG以上のプランのみとハイグレードのプランのみに採用されています。
ご自分の住まいが戸建て住宅なのかマンションなのかで選ぶグレードが変わってきますので注意が必要です。
ほっカラリ床とカラリ床ではどちらがいいのか?
さて、ここまで説明してきた特徴からカラリ床が向いている人とほっカラリ床が向いている人をそれぞれ考えていきたいと思います。
カラリ床がおすすめな人
- コスト重視な人
- ヒヤリとしにくい機能やクッション性を求めない人
- どうしてもカラリ床のプランにしたい人
ほっカラリ床がおすすめな人
- 体を洗う際などに膝をつく人
- 浴室で足を滑らせた経験のある方
- 足腰が弱ってきたと感じる方
- ヒートショック対策を考えている方
- 浴室の音を気にする方
- 浴室でガラス製品など割れ物を使う方
カラリ床はコスト重視にほっカラリ床はお年寄りにおすすめ
ただ、特にマンションにお住いの方に言えることですがTOTOのマンションリモデルバスルームでは「ほっカラリ床」が標準搭載されるのは上位2モデルのみです。
戸建て向けでも最下位モデルではカラリ床になってしまうなどほっカラリ床は比較的上位グレードにしか搭載されない機能ですのでコストを最優先に考えている方はカラリ床のモデルを選ぶことで浴室リフォームにかかる費用を抑えることができます。
一方のほっカラリ床になるとカラリ床と同等の乾きやすさに加え、柔らかさと冷たさを感じにくいという特徴が加わります。
冷たさを感じにくいというのは近年注目されているヒートショック対策の一つになりますね。そして、特に注目すべきなのがクッション性です。
歳を取るととにかくつまずいたり転んだりしやすくなります。今まで転んだことのなかったちょっとした段差でもつまずいたりするわけですから滑りやすい浴室ではなおさらです。
湯船に浸かるのであれば浴槽から出るのに壁をまたぐ必要があります。これも埋め込み式の浴槽などにすることにより多少跨ぎやすくすることが出来ますが、いくら跨ぎやすくても転んでしまう可能性はありますし、筋力の低下とともに確率は上昇していきます。
その時がいつ来るかは誰にもわかりませんが、もし転んでしまった時でもクッション性のある床であればダメージを最小限に抑えることが出来ます。
年齢とともに骨も弱くなっていき怪我のリスクは高まり。リフォーム後の浴室を高齢の方が使う場合やそれくらいの年齢になるまで使う予定であればほっカラリ床を選択することをおすすめします。